なぜ、昔より便利になったはずなのに
体はこんなにしんどいのでしょうか。
特別に無理をしているわけでもない。
重たいものを運んだ覚えもない。
それなのに、肩や腰、膝がつらくなる。
「年齢のせいかな」
「運動不足だから仕方ないのかな」
そう言われても、どこか腑に落ちない。
そんな感覚を持っている方は、少なくないと思います。
少しだけ、人類の昔の話をします。
人類は、安定した場所でじっと暮らしてきた存在ではありませんでした。
環境はいつも変わりやすく、食べ物も、安全な場所も、簡単には手に入らなかった。
だからこそ、人は立ち上がり、歩き、移動するようになりました。
その場に留まらず、動けた集団だけが、生き延びてきたのです。
人類は「強かった」から生き残ったのではなく、
重力の中で動き続けられる体を持っていたから生き残った。
この視点は、今の私たちの体を考える上で、とても大切だと感じます。
昔は、歩かなければ生きられませんでした。
立つこと、歩くことは、特別な運動ではなく「生活そのもの」でした。
今はどうでしょうか。
動かなくても、ある程度の生活は成り立ちます。
車やエレベーター、便利な道具に囲まれています。
それ自体は、決して悪いことではありません。
便利さは、私たちの暮らしを確かに助けてくれています。
ただひとつ違うのは、
身体の構造だけが、昔のままだということ。
環境は大きく変わったのに、
体は「立って、歩いて、支える」前提でできたまま。
身体だけが、少し置いていかれている。
立っているつもりでも、実際には骨や筋肉がうまく役割を分担できていない。
そんな状態なのかもしれません。
肩こりや腰の違和感、膝のつらさ。
それらは、いきなり現れるものではないことが多いです。
結果として痛みが出ているだけで、
その前には「うまく支えられていない状態」が積み重なっていることがあります。
座りっぱなしの時間が長かったり、
地面を感じる機会が少なくなったり。
そんな小さな積み重ねが、体の支え方を少しずつ変えていきます。
足で立つこと。
体を支えながら歩くこと。
それは、特別な運動ではなく、
人が人として生きてきた土台のようなものです。
だからこそ、
体を“支える力”を見直すことが大切なのだと思います。
それは新しいことを足すより、
本来持っていた力を思い出す、
そんな感覚に近いのかもしれません。