目次
~大学アスリートの症例から考える、本当に必要なコンディショニングとは~
※今回ご紹介する内容は、ご本人・ご家族に配慮し、個人が特定されないよう一部内容を変更した症例です。
「痛いところだけ治療しているのに、また痛くなる…」
スポーツをしている学生さんや保護者の方から、このような相談をいただくことがあります。
- 「一度は良くなったのに、また同じ場所が痛くなる。」
- 「別の場所まで痛くなってきた。」
- 「整形外科で診てもらっているのに、なぜ繰り返すの?」
もちろん、ケガそのものの治療は非常に大切です。
しかし、競技レベルが高くなるほど、痛みが出ている場所だけを治療するだけでは再発を防ぐことが難しいケースがあります。
今回の症例
今回ご紹介するのは、大学で競技を続けている陸上選手です。
これまでにも、
- 中学生で腰椎分離症
- 高校生で左母趾疲労骨折
- 手術・リハビリ
- 大学で腰椎分離症の再発
など、競技生活の中でいくつものケガを経験してきました。
それでも競技を諦めることなく努力を続け、高校では大きな大会にも出場し、現在も大学で競技を続けています。

① ケガの経過
中学
腰椎分離症
↓
高校
左母趾疲労骨折
↓
手術・リハビリ
↓
競技復帰
↓
大学
競技レベルアップ
↓
左母趾へ再び負担集中
今回見えてきた問題
今回の評価では、「左親指が悪い」というより、
左親指へ負担が集中する身体の使い方が残っていました。
さらに、スパイク裏が親指へ当たるという外的要因も重なり、局所への負担が大きくなっていました。
一方で、記録は向上しています。
つまり、競技力が上がったからこそ身体への負担も増えている
という状態です。
これはスポーツ選手には非常によく見られる現象です。

② 痛みが起こる流れ
競技レベル向上
+
スパイクの刺激
+
左親指へ荷重が集中する癖
↓
左母趾へ負担集中
↓
股関節
↓
骨盤
↓
体幹
↓
肩甲骨
↓
全身へ負担が広がる
親指だけではなく、
身体全体が連動していることが分かります。
「インソールを作れば終わり」ではありません
現在は整形外科で新しいインソールを作製する予定です。
これはとても大切なことです。
整形外科で作製するインソールは、
- 痛みの軽減
- 足部の保護
- 日常生活やトレーニングシューズでの安定性向上
という役割があります。
しかし今回の競技は陸上競技です。
しかもスパイクを履いて競技を行います。
スパイクは構造上、インソールを十分に使用できないことも多くあります。
そのため、競技中は
- スパイク内部へのクッション材
- 当たり方の調整
- シューズ環境
なども合わせて考えていく必要があります。
つまり、インソールだけでは解決できない部分があるということです。
私たちが診ているのは「動き」です
今回の施術では、身体全体のバランスを整えることで、左親指への負担が軽減し、
動作時の痛みも改善しました。
つまり、原因は親指だけではありませんでした。
私たちが診ているのは、
- 足
- 股関節
- 骨盤
- 体幹
- 肩甲骨
まで含めた、
身体全体の連動性です。
③ しゅん太鍼灸整骨院・整体院が考えるサポート
整形外科
(画像診断・インソール・リハビリ)
↓
競技環境
(スパイク・クッション材)
↓
身体の使い方
(股関節・体幹・肩甲骨)
↓
セルフケア
↓
定期的なコンディション管理
↓
ケガを繰り返さない身体づくり
保険施術だけでは対応できない理由

整骨院で健康保険が適用されるのは、
- 骨折
- 脱臼
- 捻挫
- 肉離れ
などの応急処置が必要な外傷です。
一方で、
競技後の疲労回復やコンディション調整、身体の使い方の改善、再発予防などは保険適用外となります。
今回のようなケースでは、応急処置だけでなく、「競技を続けるための身体づくり」が重要になるため、保険施術と自費施術を目的に応じて使い分けながらサポートしています。
「治す」から「競技を支える」へ

大学スポーツは、高校までとは比べものにならないほど練習量も競技レベルも高くなります。
そのため、「痛くなってから治療する」だけでは十分ではありません。
必要なのは、痛みを繰り返さない身体をつくること。
そして、最後まで競技を続けられる身体を支えること。
私たちは、そのために整形外科とも連携しながら、
- 必要な医療
- 身体の使い方
- 競技特性
- セルフケア
- コンディション管理
を組み合わせ、一人ひとりの競技人生をサポートしています。
ケガを治すことがゴールではありません。
その先にある、「思い切り競技を続けられる未来」を一緒につくっていきたいと考えています。